④私の可愛い赤ちゃん

出産を終えた直後、

なんだかホッとしたのを覚えています。 

 
もう終わったんだ。

ぼーと天井を眺めていました。


分娩室から病室に戻ると、
しばらくして、

「赤ちゃんに会いますか?」

と助産師の方に聞かれました。



私は、どうしたら良いのか分からず…

と言うのも、

会いたい気持ちと
なんだか怖い気持ちもあって…


私が何も答えないでいると、

助産師の方が、

「お気持ち分かります。
 私達は、久美子さんと同じお母さんを
 見たことあるけれど、
 赤ちゃんと対面しなかった、
 できなかったお母さんもいました。
 でも、お母さんが後悔しないように
 しましょうね。」 


と言って下さいました。


私には、お母さんって言葉は凄く重くて、

また、こんな事で迷っている
自分の弱さが情けなくて、
赤ちゃんに申し訳なくて…


うつむいたままでいました。

すると、夫が、

「私が先に会ってもいいですか?
 久美ちゃんは、
 直ぐにきめなくてもいいんじゃない?
 俺は、会うって決めてるから、
 行ってくるね。」

と部屋を出て行きました。

それから、10分ぐらいかな…

夫は、穏やかに微笑んで帰ってきました。



「赤ちゃん、
 凄く可愛いよー。
 久美ちゃんも
 会った方がいいんじゃないかなぁ。
 一緒に行こうよ。」


そう。
私の背中を押してくれるのは
いつもこの人。

私は、1人じゃ何も決められないし、
何も出来ない。


でも、私の隣にはいつもこの人がいてくれる。

私は夫と一緒に赤ちゃんに会いに行きました。


赤ちゃんは、
黄色のきれいで控えめな
レースのついた洋服を着ていました。


可愛い…

本当に可愛い…

小さなお目々を、ぎゅっとつぶった顔は
なんとなく夫に似ているようで、


涙は止まらなかったけれど、

私達は、何度も可愛いね、可愛いね、

ってその時間を過ごしました。





赤ちゃんの面会には、
様々な考え方があると思います。
何が正解なんてないし、
人それぞれだと思います。
 
ただ、私は、
私の背中を押してくれた、
夫や助産師の方に感謝しています。  

会えて良かった。

あなたは世界で一番可愛いね。



ありがとう…

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