⑤色褪せた世界

娘を出産して3日後、

私は自宅に戻りました。


病院では、出来るだけ泣かないように
普段と変わらないように過していました。


昔からそうなんです。

人に心配かけたり、
かわいそう…って思われたくない。



そんな私でも、 

家に入った途端、
声をあげて泣きました。


こんなはずじゃなかった。


この家は、私と夫のと赤ちゃんの3人で暮らす予定だったのに、

もう赤ちゃんは私のお腹の中にいない… 



ぺったんこになったお腹は、
とても寂しくて、

現実に向き合う事が
出来ませんでした。



赤ちゃんの為の肌着や
試供品で貰ったオムツは、

そのまま触れずに見ないように過ごしました。


片付けることすら出来ない日々は
苦しかったです。


助産師の方の指導通り、1ヶ月間は、
産後として、
家事などをせずに、過ごしました。


母が来てくれて、
身の回りの事など、
なんでもやってくれました。


そんな中、テレビを見ていると、
オムツのCMが流れます。 
 

可愛い赤ちゃんの姿…

羨ましいな…

ごめんなさい…


必死に涙をこらえました。



1ヶ月が過ぎ、外に出ると、

妊婦さんに、赤ちゃん…

自然と視界に入ってきます。


歩いてるだけで溢れてくる涙。

決して妬んではいけない。


すれ違う妊婦さんに、

無事に産まれてね、

と心から願いました。


私が家で何もせずに
過している時間が増えるのを見て、
夫は習い事を勧めました。 

あんまり乗り気ではなかったけれど、
スポーツクラブに通い、
昔やっていたヨガを始めました。


運動していると
気持ちも身体もスッキリして、
前向きになれました。

そんな生活を続けた半年後、


私の妊娠が発覚しました。






追伸 

この頃、私は、
何だか私の大切な人が皆亡くなってしまうのではないかと、
凄く気持ちが不安定でした。


両親が会う度に年をとっていくように見え、

また会えるかなぁ…
と不安になり、
(両親は健康で元気です。)


世界が色褪せてみえました。

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